独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
突然のプロポーズ
翌週金曜日の朝。
下着姿のまま、クローゼットから出した服が部屋のあちらこちらに散らかる光景を愕然と見つめた。
今夜は樹先生と食事に行く予定になっている。
思いがけず誘われて浮かれたものの、当日の朝になっても着ていく服が決まらない。
カジュアルなミニスカートは子供っぽく見られそうだし、身長が低い私にパンツスタイルは似合わない。
西野さんのように、スタイルがよかったらどんな服もスマートに着こなせるのに……。
鏡に映る自分の姿を見て、ため息をついた。
牛乳を飲めば背が伸びるって本当かな? ついでに胸も大きくなるといいんだけどな。
やや小ぶりの胸を凝視する。
ああ……。中学生のときから、ちっとも成長してない……。
ガクリと肩を落とした。でも今は、そんなことを考えている場合じゃない!
ひとりファッションショーを繰り返し、あれこれと悩んだすえに白のブラウスと黄色いフレアスカートを着て鏡の前に立った。
うん。これなら少しは大人っぽく見える。
ようやく着る服が決まってホッと胸をなで下ろす。しかし、ゆっくりしている時間はない。
「遅刻しちゃう」
バッグを手に取ると、慌てて部屋を飛び出した。