独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
髪をまとめてもらいドレスに腕を通して鏡の前に立つ。
「うわぁ、素敵……」
裾がふわりと広がったシルエットはとてもかわいく、肩や胸もとをレースで覆われたデザインは肌の露出も控え目で上品だ。
私、本当に樹さんのお嫁さんになるんだ……。
鏡に映る自分の姿を見て喜びを噛みしめていると、プランナーに声をかけられた。
「参りましょうか」
「はい」
樹さんは、なんて言ってくれるのかな。褒めてくれるといいな……。
期待に胸を膨らませて、樹さんのもとに戻った。
「あの、どうでしょうか」
普段とは違う姿を見られるのはやはり恥ずかしい。伏し目がちに様子をうかがうと、樹さんが穏やかな笑みを浮かべた。
「うん。とても似合ってる。綺麗だよ」
「ありがとうございます」
最上級の褒め言葉をうれしく思いながら、ふたりで微笑み合った。