独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「わっ!」
樹先生への思いを募らせていたときに聞こえた音に驚き、短い声をあげた。
もしかしたら、また樹先生からかもしれない。
胸をドキドキさせて画面を見ると、薬科大学時代の友人である美咲からメッセージが届いていた。
彼女は調剤薬局が併設されたドラッグストアに勤めている。
美咲とはゴールデンウィークに会ったきり。久しぶりの連絡をうれしく思いながら、メッセージを読んだ。
【元気? 夏休みだけど都合が合えば会わない?】
ショートヘアが似合う大人っぽい美咲には、五つ年上の彼氏がいる。その彼とは飲み会で出会ってすぐに、付き合ってほしいと告白されたそうだ。
【話を聞いてもらいたいことがあるの。できればすぐに会えないかな?】
プロポーズされたことを報告したいし、西野さんとの一件を聞いてもらいたい。
美咲からの返信を待っていると、すぐにメッセージが届いた。
【いいよ。だったら明日はどう?】
スムーズに話を進めてくれる美咲に頼りがいを感じつつ、待ち合わせ場所と時間を決めた。