独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
竹を割ったような性格の美咲は、いつまでも樹先生を思い続けている私がじれったいようだ。けれど今の私たちの関係は、学生時代とは少し状況が変わった。
「あのね。私、樹先生からプロポーズされたの」
「……は? なにそれっ!」
ようやく本題を切り出すと、ビールを飲んでいた美咲がケホケホと苦しそうにむせ返った。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないよっ! プロポーズってどういうこと?」
顔を赤くした美咲がグラスをテーブルにドンと置き、イスから勢いよく立ち上がった。
クールビューティーという言葉が似合う美咲が興奮するなんて珍しい。
目を丸くして美咲を見つめていると、オーダーしていた料理が運ばれてきた。
「お待たせしました」
テーブルの上にマルゲリータピザが置かれる。
ふと我に返った美咲が静かに腰を下ろした。
照れる美咲はかわいい……。
「あのね……」
ピザをカッターで切りつつ、突然飲みに誘われてプロポーズされたことを打ち明けた。