約束の数だけ
 その事件から数百年あまり。
ニホン国は微々たるものながら回復しつつあり、また国民の敵が明らかとなった。

C-7を服薬したもののそれを克服した者が現れたのである。

彼らは強靭な肉体、再生力を持つ。
守護者に対して度重なる襲撃事件を起こし、戦闘から分かったことは一つ。

彼らが紫の瞳を持つということである。
しかさそれ以外の情報はなく、日々終わらない戦いが続いている。

✾✾✾

 「とは言っても、うちらの世代にほんとに襲撃なんてあるのかなあ?」

のほほんとお茶を飲みながらリコが呟く。

「あるからこうやって軍学校があるんでしょう。リコは研究部だから前線には出ないだろうけど」

食堂でお茶を飲みながら、透花は再び苦笑いである。

彼女たちが所属するのは守護者養成学校、通称「軍学校」である。
というのも、教育内容がほとんど昔で言う「軍隊」のそれであるからだ。

「勝ち目なんてないじゃん、だって。C-7のいいとこ取りした人が六人もいるってことでしょ?それもそのうちの一人は二種類服薬してって、どんだけ恐ろしいの」

「まあまあ」

守護部隊には部が三つ存在する。

まずC-7の解毒など薬品の研究を進める「研究部」、服薬者を討伐する「防衛部」、そして機材などを開発する「開発部」。

この三種のいずれかになるべく守護者養成学校に設けられたのもいずれも「研究科」「防衛科」「開発科」である。

また、学内では各学科の生徒を召集しやすくするために着用する制服を分けており、それぞれ色や形が異なる。

リコが属する研究科は、黒いブレザーとスカート、青色のネクタイであり、袖口と裾にも青色の二重ラインが入っている。

透花の属する防衛科や開発科は、このデザインのネクタイとラインの色を変えたものを着用する。

防衛科は黄、開発科は深い緑という仕組みである。

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