BLOODY REAPER
ぽかんと口を開けていると、 扉が開いて誰かが入ってきた。

「チッ、ヨウじゃねぇか気持ちわりぃ。 何しにきたんだよ」

「ん〜?見張り当番交代だよ?」

見張り?

どういうこと?

「あー、 やっとかよ。 かったりぃ付き合ってらんねぇ」

『テル』と呼ばれたその人は、 ついていた手を離すと部屋から出ていった。

「お目覚めしたんだねぇ、女の子」

「あ......どうも...ありがとうござ...」

「僕は何にもしてないよ〜?お礼はリオに言わなきゃねぇ」

リオ......

そのリオって人、どうやって私を助けたんだろう。

車と接触ギリギリだったっていうのに。

「あの、 そのリオって人はどこに...」

「んー、リオなら確か庭にいるはずだよ?」

「案内して貰えませんか?お礼言いたいんで......」

「いいよ、おいで」

そういうと、彼は私に手を差し伸べた。

とりあえずとったほうがいいのかと思い、手を重ねる。

するとぎゅっと握られた。

「絶対、 離れないでね」

にこっと笑うその顔は、 目が笑ってないような気がしてゾッとした。



「リオ〜、 女の子お目覚め〜」

庭から戻ってくる途中だったのか、 廊下でばったり出くわした。
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