BLOODY REAPER
「あぁ?何部屋から出してんだよ。 逃げられたらどーすんだ」

「大丈夫大丈夫、 ほら、 ぎゅっと手を握ってるからねぇ〜」

「きたねぇな」

「ひどいなぁ。女の子がリオにお礼を言いたいって」

すっ、と私をリオさんの前に押し出す。

背が高くて顔がすごく整っていて、 思わず惚けてしまう。

「何じっとみてんだよ?」

不機嫌そうに睨まれて、 急いで顔を逸らす。

「あ、あの...ありがとうございます!助けて頂いて」

「あぁ、 助けたわけじゃねぇよ」

「え?」

助けたわけじゃない?

どういうことだろう。

「俺たち柊木家は代々、お前の家、花平家の死神」

なんで私の苗字を......

というか......

「死神!!?」

驚いて大声を上げてしまった。

死神って何。どういうこと。

そんな漫画みたいな話あるわけない。

「うるせぇ、大声出すんじゃねぇよ。
たまたま今日、お前の見張り当番が俺だっただけで、助けたのは仕事の一環。」

わかんない、 さっぱりわかんない。

まず死神ってのが信じられないんだもん。

「信じられねぇか?」

溜息をつきながらそう問掛けるリオさんに頷く。

「仕方ねぇな。ここで話すのもだりぃから、とりあえず部屋に戻るぞ」

「は、はい」

「ヨウ、 みんなを呼んでおけ」

「えぇ〜めんどくさいなぁ。わっかりましたよ〜」

心底だるそうに答えると、 彼は姿を消した。

「きゃっ!!?」

どうなってるの、死神って本当なの!?

もしかして全部夢!?

「いちいち叫ぶな、 行くぞ」

叫ぶに決まってる。

私は人間なんだよ、 驚くでしょ。
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