正しい恋を教えてください。
後日もハルは学校で1人になっていた。




今までの楽しさはなかったかのようだった。




ちょくちょく蓮と憂が話に来る程度で、古海の話は一言も口にしなかった。




その日は、雨だった。




梅雨も近く、ジトジトした天気は、まるでハルの心のようだった。




放課後に、たまたま下駄箱で古海が目の前にいて、ハルの手はまた前に出そうだった。




すると、憂がハルの前を軽々と通り過ぎ、古海の元へ駆け寄っていった。




遠目からでも、2人の楽しそうな顔は目に見えていた。




憂は傘を忘れたらしく、古海の折り畳み傘で2人で帰って行った。




ハルの心の中で伸ばしていた手は、暗闇へとまた引きずり戻されていくようだった。




「追いかける資格もねぇわ...俺」
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