正しい恋を教えてください。
すると、またメールがきた。今度はハルだった。




『会いに来たんだけど。』




「え!」




驚いた古海は、ベランダから玄関をみようと窓を開けた。




「さむっ...。上着ない?」




「紫水くん...!」




そこには、ベランダの手すりに座っているハルがいた。




その姿は、まるで狼のように月をバックにしていた。




心做しか、ハルのヘーゼル系の目の色が光り輝いて吸い込まれそうだった。




「静かにしろよ?バレても知らねぇからな。」




「なんで...。」




「俺らと一緒にいたいか?また、前の生活に戻りたいのか?それだけ聞きたい。」




古海の中で答えは、何週間も前からずっと決まっている。
< 65 / 488 >

この作品をシェア

pagetop