正しい恋を教えてください。
扉を閉めると、古海は勉強机に乗っている教材をすべて引き出しにのけ払うように入れた。




全て文房具を引き出しに入れ、古海はそのまま寝てしまった。




朝起きると、目の前には父親の姿が見えた。




「なにを呑気に寝ているんだ?」




「お父さん...。」




「さっさと勉強しなさい。教材はどこへやったんだ?」




そう言って、部屋を詮索する父親を無理やりにも出ていかせたくて、




「もういいから、勉強するから出ていって。集中したい。」




すごく厭わしい。




みんな今頃楽しく過ごしているのに、自分はこんなに狭いところで時をすごしていると考えただけで。
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