私が月を支配するとき、貴方は嗤う
EP.2 MEET







多くの人々が縦横無尽に行き交う朝の通勤ラッシュとも呼ばれる午前8時を回った

スーツ姿のサラリーマンが出社の為に足早に駅へ向かい、小学生が歩いていて集団登校したりと、何かといそがしい毎日の朝をマンションの窓から眺める。

珍しく今日は遅刻しない時間に起きたのに何故か足が重く行く気にならず街を眺めていた。

私が通わなければならない高校は

青陵高等学校<セイリョウコウトウガッコウ>


通称 青高<アオコウ>は俗に言う不良学校だ。

大半が全国No.1の暴走族 琥珀<コハク>又はその傘下のグループもしくは何かしらの暴走族に入っている。

女子も勿論居る。
パンダみたいなケバい女子が、、
レディースが指揮とってるというのは聞いたことあるが本当にパンダが多い

私は基本的には教室には居ない。
だってパンダと一緒にいると鼻はもげそうだし、男子とは関わるつもりすらない。
だから、空き教室を探して良い昼寝場所を探したり(ウザいやつがいる)理事長室でゴロゴロしていたりする。

時計に目を向けると登校時刻十分すぎ。
行きたくはないが、ここに居るとのちのち面倒なことになるので、仕方なく携帯と財布だけを鞄に放り込み鞄を持ち家を出た

やっと通勤ラッシュは落ち着き人は多いものの先程までの混雑はなく登校できた。

電車を使おうかと迷ったが人が多かったのでゆっくり歩いて学校へ向かった。




午前8時43分 正門は閉まっており入る術が無くなった。高さ4mの正門は異様な雰囲気だ。

理事長に電話すれば?と思ったがあの人この前ブチギレて携帯ぶっ壊したから無いんだった。

はぁー。まじで使えね。

そんなこと言ったら、悲しむので心の中で復唱するだけにする。

飛び越えるのも簡単だがそんな体力使いたくない。どうにかしてと思ったが、飛び越える以外に入る方法が無いので仕方なく数歩後ろに下がり助走をつけて飛び越えた。

はぁー、無駄な体力だ
後で絞めとくか!うん!!そうしよう!!

今日も理事長室まで向かった。
理事長室は私の教室とでもいったところだ。
理事長の 阿須那 航大 <アスナ コウタ>は一言で言うと馬鹿。
まぁ、私の過去を知っている数少ない理解者の一人だから一応信頼は置いているがそれ以上に馬鹿すぎて疲れる。

初代琥珀総長であり、影響力は偉大だ。誰一人として頭が上がらないこの人物に私は匿われてるといったところだろう。

一応、事務も手伝ってあげてるから半々といったところだが、この理事長室に他に入れるやつが居ることに初めて知った。
理事長室には生徒を入れないことで知られているから、安心できていたのに。はぁー、全くどうしてくれるんだよ。航、後でパンチ食らわしとくか。

私がいつものように理事長室に入り、ソファーの上で寝転がっていると来客用のドアが開いた。

この理事長室にはふたつ入り口がある。

一つは来客対応用に作られた来客出入り口。
ごく一般的に言うのならば、表口だ。
学園の来客や、理事長への用事がある人などはここの入り口を使う。一般人にはここの入り口しか使えない。まず、ここしか出入り口は無いと思っている人が殆どだと思う。

二つ目はまぁ、完成トップシークレットの出入り口だ。馬鹿な初代理事長が何を思ったのか分からないが作ったらしい。基本的にはここの通路を使える人は限られている。普通の人は絶対に使えない。変な入り口を入ると出口は学園校舎の裏側だ。本当になんの為にあるのかわからない通路だが、案外役に立つし、近道だとか言って航も使っている。

滅多に来客対応出入り口が使われることはなかった(航が理事長室に人を入れないから)のだが、今何故か、いかにも不良です!という感じの生徒が五人ほどドアの側に立ってこっちを見ている。なんか、睨まれてる?え?まぁいいや。寝ようとしていたときに来たので若干の殺意を抱きながらも、その人たちに興味の欠片もなく、眠気が襲ってきたのでそのままソファーで眠ることにした。





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