私が月を支配するとき、貴方は嗤う
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音がする。


骨と骨がぶつかり合い、割れていく音。

金属と金属が、ぶつかり響く音。

バイクのタイヤがコンクリートを擦る音。

エンジンの音。


そして、私の、よく知ってる人たちの怒声が。



多くの(音)は時に私を私じゃなくさせた。


気づけば目の前には血の海。

何人ものガラの悪い男どもが重なり倒れていた。


あぁ。まただ。



深くため息をつく私。その時はもう遅かった。



あらゆる(音)を、当り前だと思い込んできた。


そこに怖さなどなかった。




だけど、あの日、その当たり前が一瞬にして崩れ落ちた。

[おい、皆、、なんでだよ!なんで、死んでるんだよ。なぁあ!嘘って言って笑ってくれよ!!!!!]



私のよく知る怒声が聞こえなくなった。


聞きたくても聞けなくなった。



そうさせたのは、私の実の親。



何もかもを奪われた。



生きる意味さえも。







私は生きてたらダメなんだ



みんなと一緒にあの時に死なないといけなかったんだ。




神様、お願い






私を死なせて。




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