アンバランスな愛情
「実は俺もよくわからない
桜さんが探偵事務所の金を盗んだらしい

桜さんは否定をしてる
金は社長が店の契約金として
貰ったらしいんだ

でも事務所の金庫をあけて
金を持ちだしているのを
防犯カメラが捉えてる

桜さんが言ってた新しい店というのも
存在してなくて
契約もされてない

だから警察は
探偵事務所の事務員が
お金欲しさに
金庫の金を奪ったと判断した」

「探偵事務所?」

マコの目つきがかわった

「もしかして
大河原探偵事務所?」

「なんでそれを?」

「覚えてないの?
私たちの調査をしてたじゃない

封筒に事務所の名前が
あったでしょ?」

そうだった!
桜さんから
奪った封筒にあった名前は
『大河原探偵事務所』だった

「それに大河原って名前に覚えがある
お母さんの不倫相手だった」

マコの言葉に
俺は驚いた

「マコ、スミレの脅迫状が
どこにあるか知ってるか?
確認したい写真がある」

「ええ」

マコは立ち上がると
スミレの部屋に入った

そして白い封筒を
俺に渡した

俺はすぐに
大河原先輩の写真を
探した

あった!
これだ
< 119 / 134 >

この作品をシェア

pagetop