アンバランスな愛情
コンコン
車の窓が鳴る

私は顔をあげると
光ちゃんが立っていた

「光ちゃん、どうしたの?
彼女さんはいいの?」

「寝たよ
ごめん
いきなり来ちゃって」

「それは私のセリフだよ
怒ってたんじゃない?」

「ちょっと怒ってた」

光ちゃんは
苦笑した

「いいの?
部屋、出てきたら
また怒るよ~?」

「いいよ
今は、スーちゃんと
話がしたいから」

光ちゃんは車に乗り込んだ

後部座席に並んで座る

なんか奇妙だ

「兄貴と…どうなったのか
知りたいんだ」

「正直に言うと
中途半端な関係のまま
何にも変わってない

一度は関係を断ち切ろうとしたけど
駄目だった

お母さんの目を盗んでは
会ってた
体も…重ねてた」

「そっか」

「お母さん、逮捕された」

「ええ?」

光ちゃんが大きな声をあげた

「詳しくは知らないの
なんで逮捕されたのか」

「兄貴は?」

「話してない
こっちに出発する前に
逮捕を知ったから」

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