アンバランスな愛情
「なら
協力者になります

…これでどうですか?」

「可愛くない
返事だね

どうして松川が
気に入ったのか…
俺にはわからない」

え?
松川…って

まるで知り合いみたいな
言い方

この人は
瑛ちゃんの知り合い?

年齢的には
同年代と言えば
言えるかもしれないし

すこし年上にも見える

「注意事項をいくつか言うから
守ること

俺のことは
絶対に誰にも言わないこと

連絡は俺からするから
君からはしなくていい

電話であろうと
メールであろうと
俺から連絡があったら
絶対に無視しないこと

いいね」

「わかりました」

「物わかりのいい娘は好きだよ」

「質問は受け付けないって
言われましたから

いい加減
果物ナイフをしまってもらえませんか?」

「そうだね
君を傷つけるつもりはないけど

護身用に持っているだけなんだ

世の中
何が起きるか
わからないからね」

この人は
何を考えているの?

何をしようとしているの?

協力者って何?
私がなんで必要なの?

意味がわからない

誰にも言えないし

質問はできないし

私はどうすればいいの?

「じゃ、家に送っていくよ」

そう言って
大河原さんは
車のハンドルをきった
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