アンバランスな愛情
「店って
いつから?」

「う~ん
わかんないけど

すぐってわけじゃないみたい

でも次にオープン予定の店を
私にくれるって
言ってくれたの

真面目に
働くといいことがあるのね」

真面目?
体の関係をもっただけじゃないか

俺はパンを飲み込むと
ダイニングから離れて
洗面所に向かう

歯磨きをして
顔を洗うと

寝室に行った

スーツを着ていると
桜さんが
後ろから抱きついてきた

「今日は
早く帰れるように努力するから

いつも
約束破ってばかりでごめんね」

早く帰る
夕飯は一緒に食べよう

そう言っていて
一人で食べる日が続いた

きっと新しい店のオーナーに
なれるかの瀬戸際だったのかもしれない

だから
若社長の機嫌をとっていたのだろう

熟女の魅力を見せ
夢中にさせて
勝ちとったものなのだろう

いいけど
別に

一人で過ごすのに慣れてきたし

このまま
桜さんの頭から
俺を忘れてほしかった

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