アンバランスな愛情
「ねえ、放課後
どこか
遊びに行かない?

気が晴れるようにさ」

杉田先輩が提案してくれる

「はい」

写真のことは言えないけど
気晴らしに
遊ぶくらいいいよね?

私は杉田先輩の好意に甘えることにした

杉田先輩は
嬉しそうに笑うと

下駄箱まで
私と一緒に
登校した



「別れてなかったの?」

教室に行くと
順子が飛びついて
質問してきた

「え?」

「だって一緒に登校してたじゃん」

「ああ、
杉田先輩のこと?

別れたけど
それでもいいって

絶対振り向かせるって
言われたよ」

順子が嬉しそうに目を輝かせた

「マジで?

うわ~
言われてみたいね
そんなセリフ!」

順子が興奮する

私は順子を見ながら
ほほ笑んだ

「でも私には
好きな人がいるから」

「え?
誰? 聞いてないよ!」

「言えない人だから
言わないの!」

「何それ?
歴史上の人物に恋してる
とか言わないでよ」

「近いかも?」

「何だそりゃ?」

順子と冗談で会話する
とても
楽しい時間だ

写真を撮った人は
こういう間も
私や瑛ちゃんを監視しているのかな?

そう思うと
怖い
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