アンバランスな愛情
キスをした

暗い部屋の中で

瑛ちゃんと
久しぶりのキスだった

甘くて
体が熱くなる

瑛ちゃんの唇が
離れていくのが嫌で

必死に瑛ちゃんの唇に触れていた

「スミレ、ホテルに行こう」

「我慢できないよ」

「ここじゃ、まずい
誰に見られるかわからない」

私の脳裏に
一枚の写真がよぎった

私と瑛ちゃんが抱き合う写真だ

瑛ちゃんのげた箱に入っていた

私は瑛ちゃんから
離れると

ほほ笑んだ

「どこで待っていればいい?」

「スミレの家まで迎えに行くよ」

「ならホテルに行かなくても…」

「そうだね」

私は瑛ちゃんと手をつないだ

瑛ちゃんは優しく微笑んでくれる

「待ってるから」

「仕事を終わらせたらすぐに行くよ」

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