アンバランスな愛情
瑛ちゃんは笑顔で
私に振りかえった

「大丈夫
明日、話をしてみるよ」

「瑛ちゃん
犯人がわかっているの?」

「ああ
そろそろ帰るよ

マコが帰ってきて良かったよ」

瑛ちゃんはそう言って
ベランダから部屋を出て行った

「スーちゃん
いつからこんな手紙をもらっていたの?」

「つい最近
もしかしたら
瑛ちゃんにきてたのかもしれない」

「え?」

お姉ちゃんの顔色が変わった

「だって
手紙を見ても驚かなかった

怖い顔をしてたけど
手紙の中身がわかっているみたいだった」

「瑛ちゃんにもきてたって
一言も…」

「うん
隠してるよね

瑛ちゃんはいつもそうだよね
たぶん家に来たのも
私を抱くためなんかじゃないと思う」

私はお姉ちゃんに笑顔を見せた

お姉ちゃんは
私の部屋の中に入ると

そっと抱きしめてくれた

「怖かったでしょう

ごめんね
マコ、スーちゃんの気持ちに
気づいてあげられなかった」

「大丈夫だよ
手紙は怖かったけど

お姉ちゃんの気持ちもわかるから」

「本当にごめんね」

お姉ちゃんは泣いているようだった

きっと責めている

もっと早く
気づけたはずだったと

私に怖い思いをさせてしまったことを
きっと後悔しているに違いない

でも私は平気だったよ
怖かったけど

こうして
瑛ちゃんもお姉ちゃんも
助けようとしてくれている

だから私は平気だよ
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