アンバランスな愛情
「すみれ!
ちょっとこっちに」

順子が机に座っていた私の手を
引っ張った

え?
何?

順子に引っ張られるまま
私は廊下を走り

屋上への階段を駆け上がった

屋上のドアの前で
私と順子は乱れた呼吸を整えた

ドアにはカギがかかっている

だから屋上には出られない

そのせいか人目もない

順子は人に聞かれたくない話を
しようと思っているのだろうか

「すみれって
小泉と付き合ってるの?」

え?

「何で?」

私の心がひどく動揺した

何で知っているのか
わからない

話していいものなの?

「掲示板に写真があったよ!
スミレと小泉が抱き合っている写真が」

「ええ?
どうして…」

私はその場で
小さくうずくまった

「付き合ってるの?」

私は首を振った

「別れた」

「え?」

順子は驚いた声をあげた

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