アンバランスな愛情
「知らなかったとは言え
すみれの前でごめん!」

順子が両手を合わせて謝った

「いいよ
平気だから」

「なんか
納得いったな~

谷山と小泉が仲がいいのも

すみれにだけ小泉が優しいのも
合点がいったよ」

「私にだけ優しい?」

私は首を横にした
瑛ちゃんは
誰にでも優しいよ

「気づいてなかったの?

私たちにはガツガツ言ってくるくせにさ
すみれだけ
声のトーンが妙に高くなって
優しい口調になるんだ」

「知らなかった」

「体の関係があったら
優しくもなるわけだ」

「ちょっと!」

私は順子の肩に押した
順子はけらけらと笑い声をあげていた
< 85 / 134 >

この作品をシェア

pagetop