アンバランスな愛情
「私がここに呼んだ理由は
わかっているね」

私は校長先生の顔を見て
頷いた

帰り際に
放送で呼び出された

校長室に行くまで
すれ違う人たちに
冷たい目で見られた

いろいろな言葉を
囁かれ

酷いことも言われた

あることないこと
適当な噂を私に投げた

「君はどうしたい?」

「退学します」

「そうか!
ここにいても大変だもんな」

校長先生の顔が
明るくなり
声も大きくなった

椅子に座る校長先生が
机の上に用意してあった
書類を私に差し出した

「さあ、ここに名前を書いてくれ」

退学の手続き書だった

私が退学するって言わなくても
退学させるつもりだったんだ

悲しいな
誰も私の気持ちを理解してくれないのかな?

順子と瑛ちゃん以外は
理解を求めちゃいけないのかもしれないね

私は
机に近づくと
ボールペンで
自分の名前を書いた
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