アンバランスな愛情
「失礼しました」

手続きを終えると、私は校長室を出た
廊下には杉田先輩が立っていた

「掲示板、見たよ」

私は先輩をみることが
できない

先輩の好意を利用して
瑛ちゃんの気持ちを忘れようとしていた

それが
写真一枚で知られてしまったのではないか
と思うと
先輩の目を見るのが怖かった

「どうして言ってくれなかったの?」

「言えなくて
だって保健室の先生と…」

「違うよ
小泉先生から聞いたよ

何者かに脅されてたって」

「う、うん」

「怖い思いしてたんじゃない?
どうして相談してくれなかったの?」

「杉田先輩は今年受験だから
迷惑をかけたくなくて」

「これからは俺が
すみれを守るよ」

杉田先輩が肩を抱いてくれた

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