アンバランスな愛情
ちょうど
携帯を持っていたというのもあり

私は光ちゃんにメールをした

近況報告を…
瑛ちゃんが教師を
辞めざるを得なくなったこと
私も退学したこと
そしてお姉ちゃんの
夜遊びが落ち着いてきたことなど

光ちゃんから返事がすぐにきた

でも一行だけ

『息抜きにこっちにおいで』

それだけだった

光ちゃんらしい
優しさが
一行に詰まっていた

大河原さんと会った後
光ちゃんのところに
行こうかな?

別の土地に行ったら
全てを忘れられるんじゃないかって
気がしてきた

違う空気を吸って
溜まってたモヤモヤが
洗浄されるんじゃないかって

私は旅行鞄を出すと
服をつめはじめた

『少しお世話になろうかな?
今夜、行ってもいい?』

『いいよ』

なんだか
心が軽くなった
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