舞い踊る炎使い



翌日、俺は生徒指導の先生に呼び出されていた。

「お前、どうして……これを持って来ているんだ?」

穏やかに、そして反論を許さない声で言う。先生の机の上には、俺の髪飾りとブレスレットが置かれていた。

「先生、それには理由が――」

「理由があるのは、分かる。だけど、言ったよね?アクセサリーと同じ扱いにするって。これ、将宏が落ちてたって渡してくれたんだ。これは、お前のだろ?」

「……」

俺は、何も言えなくなって俯く。先生は、知らない。将宏が、中学校ではどんなやつだったかを。

この間、たまたま将宏にいじめられてた子にあって、話をしたけど、紡の話は本当だったみたいだ。

「良いな?不知火。こいつは、卒業まで預かっておく。校則を守れないやつは、この学校の生徒じゃない。次、校則を破ってみろ。次は、謹慎だ」

先生が言った言葉が、予想以上にショックだったらしくて、俺は生徒指導室を出た後、涙を零す。そのまま保健室によって、思い切って泣いた。

「そんなことが……燐くんには、持ち運んでる理由があるんだから、特別に許可しても良いのにね」

保健室の先生は、俺の言葉に頷いてくれる。

「……髪飾りやブレスレットを盗まれたのは、ちゃんと管理しない俺が悪いのか?」
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