舞い踊る炎使い
俺は自分自身を炎に包み、物凄い勢いで悪霊を倒していく。

「猛炎よ、舞い上がれ。火だるま―極―」

陽太も俺が相手にしきれない分の悪霊を、倒していった。俺と陽太は、すぐにリーダー以外の悪霊を片付ける。

「あとは、お前だけだ」

そう言い、俺は悪霊を見据えた。

「……悪霊を殺すことは、俺には出来ん。悪霊というのは、普通の霊が未練を断ち切れないというマイナス感情を受け続け、そのマイナス感情から逃れるためになってしまう。俺は、そんな悪霊の未練を断って、楽にしてあげたいんだ……刀には、その能力は備わっている」

刀全体を見せるように刀を持ち、そう言ってもう一度刀を構えた。

「……安らかに眠れ。炎よ、舞い上がれ。火だるま!」

俺は、悪霊に近づいて斬りつける。悪霊は、炎に包まれて消えていった。

「……ふぅ」

俺は能力を使って、刀は髪飾りに、羽織はブレスレットに変えた。

「……皆、大丈夫か?」

俺は、皆に近づく。……そう言えば、皆……霊感が強かったのな。

「……不知火くん、君は一体……」

俺は、隠す必要が無くなったために正体を明かした。

「ねぇ、兄ちゃん」

さっきまで無かったペンを、ポケットに差した陽太が近づいてくる。

「何だ?」

「どうして、皆にあの悪霊が見えたの?幼い頃から霊感が強い煌矢くんと紡さんは、置いといて……」
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