告白の返事をしたら、攫われました!!
切なげに微笑むニナに、エドヴァルドは「違うよ」と悲しげに笑う。そして、ニナの頬にそっと触れた。

「俺は、帰省じゃなくて帰国するんだ。留学期間がもうすぐ終わるんだよ」

突然のその言葉に、ニナは目の前が真っ暗になる。まだ告白もしていないのに、もしかしたら片想いのまま離れてしまうかもしれない。でも、これは抗うことのできないどうしようもないことで……。

「……行っちゃうの?」

幼い子どものようなことを言い、ニナは涙を流す。エドヴァルドは「うん」と頷き、ニナを抱き寄せた。まるでカップルがするようなことに、ニナは胸をこんな時でも高鳴らせる。

「だからね、言っておきたいことがあるんだ」

ニナを離した後、エドヴァルドはまっすぐにニナを見つめる。テストや講義を受ける時以上の真剣な瞳に、ニナは期待に胸を膨らませる。

「好きだよ」

そうエドヴァルドが言った刹那、今度はニナの方からエドヴァルドに抱きつく。そしてその耳元で囁くように言った。

「私も好き……」
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