二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 夏瑛は答えて言った。

「わたし……友だちと話すときは、自分の好みとか、そういう話はしないでみんなに合わせるから。ひとりぼっちってことはないよ」

「でも、自分に嘘ついてるみたいで疲れるだろう」

「うん。わたしもこの家にいると、本当の自分でいられるからうれしいのかな」

 靭也は目を細めて、夏瑛の髪をくしゃっと撫でた。

 夏瑛の心臓は魚みたいにびくんとはねた。

 靭也と一緒にいられるときはもっとうれしいのだけど、と心の中でそう付けくわえた。

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