二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
第1章
小学6年、夏
都心から電車で20分あまりの住宅地。
似かよった分譲住宅が並ぶ坂道をのぼりきると、突き当りに突然、雑木林があらわれる。
それを見て、はじめて訪れた人は一様に感嘆の声をあげる。
東京の住宅地の一角に、避暑地さながらの風景が忽然とあらわれるのだから無理もない。
雑木林の奥はブロック塀で仕切られ、その先は崖だった。
そのため、木々の間から見えるのは空だけ。
その雑木林のとば口に平屋が一軒、建っている。
扉も、壁も、窓の桟も白一色。屋根は深緑色。玄関脇の壁には蔦がからまっている。
まるで外国映画に出てくるような雰囲気だった。
夏瑛は、はずんだ息を整えてながら呼び鈴を押す。
家から15分余り。自転車でここまでやってきた。
似かよった分譲住宅が並ぶ坂道をのぼりきると、突き当りに突然、雑木林があらわれる。
それを見て、はじめて訪れた人は一様に感嘆の声をあげる。
東京の住宅地の一角に、避暑地さながらの風景が忽然とあらわれるのだから無理もない。
雑木林の奥はブロック塀で仕切られ、その先は崖だった。
そのため、木々の間から見えるのは空だけ。
その雑木林のとば口に平屋が一軒、建っている。
扉も、壁も、窓の桟も白一色。屋根は深緑色。玄関脇の壁には蔦がからまっている。
まるで外国映画に出てくるような雰囲気だった。
夏瑛は、はずんだ息を整えてながら呼び鈴を押す。
家から15分余り。自転車でここまでやってきた。