二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
第2章
高校2年、夏
だが、五年たって高校二年生になっても、夏瑛の靭也|《ゆきや》にたいする思いはくすぶりつづけていた。
中学でも高校でも、付きあってほしいと告白してくる男子は何人かいたが、すべて断った。
靭也以上の男子など到底あらわれるはずもなかった。
靭也は卒業後も大学に残って研究室の助手を務めていたので、あの家にもひんぱんに顔を出していた。
高校生になった夏瑛は、何かと忙しく叔父の家に行くこともめっきり少なくなっていたが、たまに顔を出すと靭也がいることがあった。
靭也はいつも夏瑛に優しい。
顔を合わせてしまうと、忘れることも、かといって、心の内を打ち明けることもできずに、夏瑛の心は宙ぶらりんのまま、どっちつかずのままだった。
それに貴子と靭也も以前と全く変わらなかった。
靭也は貴子を、自分の恩師であり、今は上司でもある叔父の妻として節度のある態度で接している。
夏瑛はどうしてもそこに一縷【いちる】の望みを抱いてしまうのだった。
中学でも高校でも、付きあってほしいと告白してくる男子は何人かいたが、すべて断った。
靭也以上の男子など到底あらわれるはずもなかった。
靭也は卒業後も大学に残って研究室の助手を務めていたので、あの家にもひんぱんに顔を出していた。
高校生になった夏瑛は、何かと忙しく叔父の家に行くこともめっきり少なくなっていたが、たまに顔を出すと靭也がいることがあった。
靭也はいつも夏瑛に優しい。
顔を合わせてしまうと、忘れることも、かといって、心の内を打ち明けることもできずに、夏瑛の心は宙ぶらりんのまま、どっちつかずのままだった。
それに貴子と靭也も以前と全く変わらなかった。
靭也は貴子を、自分の恩師であり、今は上司でもある叔父の妻として節度のある態度で接している。
夏瑛はどうしてもそこに一縷【いちる】の望みを抱いてしまうのだった。