二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
守衛さんに教わった道順をたどり、叔父のいる研究室がある校舎までようやくたどりつく。
「おお、夏瑛。よく来たね」
数人の学生と談笑していた叔父が、研究室の扉の外でノックをしようかどうしようかためらっている夏瑛に気づき、こちらに向かって歩いてきた。
「ほら、入って。そこのソファーにかけて、ちょっと待っててくれよ」
「おじゃまします」
何となく落ち着かず、きょろきょろと辺りを見回す。
研究室といっても、小部屋ではなく、高校の職員室の半分ほどの広さの部屋だ。
大きな棚があり、木枠に張られたキャンバスが詰めこまれている。
その上には、デッサン用の石膏像や牛骨などがたくさん置かれている。
かすかに油絵具の匂いが漂ってくる。
「ほい、お待たせ。で、今日はどうしたんだい?」
「やっぱり、美大に進学しようかと思って。見学かたがた叔父さんに相談してきなさいって、お母さんに言われて」
「姉さんは相変わらず気が早いなぁ。まだ2年生だろ?」
と言いつつ、ここの大学を目指すにしろ、他の大学にするにしろ、今の段階ならデッサンをしっかり勉強しなさい、とアドバイスしてくれた。
「おお、夏瑛。よく来たね」
数人の学生と談笑していた叔父が、研究室の扉の外でノックをしようかどうしようかためらっている夏瑛に気づき、こちらに向かって歩いてきた。
「ほら、入って。そこのソファーにかけて、ちょっと待っててくれよ」
「おじゃまします」
何となく落ち着かず、きょろきょろと辺りを見回す。
研究室といっても、小部屋ではなく、高校の職員室の半分ほどの広さの部屋だ。
大きな棚があり、木枠に張られたキャンバスが詰めこまれている。
その上には、デッサン用の石膏像や牛骨などがたくさん置かれている。
かすかに油絵具の匂いが漂ってくる。
「ほい、お待たせ。で、今日はどうしたんだい?」
「やっぱり、美大に進学しようかと思って。見学かたがた叔父さんに相談してきなさいって、お母さんに言われて」
「姉さんは相変わらず気が早いなぁ。まだ2年生だろ?」
と言いつつ、ここの大学を目指すにしろ、他の大学にするにしろ、今の段階ならデッサンをしっかり勉強しなさい、とアドバイスしてくれた。