二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
第3章

高校2年、冬

 そして、半年ほど経ったある日。

 帰宅するといつもは真っ暗な家に明かりが灯っていた。

「あれ、今日は早かったんだね」母が先に帰っていた。

「うん、仕事のピーク過ぎたから早帰りさせてもらったのよ。久しぶりにご飯でも作ってあげようと思って」

 最近、夏瑛ちゃん、何だかずっと元気なかったし。ちょっと気になってたのよ、と母は付けくわえた。

「何でもないよ。学校の勉強が忙しいだけ」
 
 制服を着替えようと自分の部屋に行きかけたとき、母が言った。

「ああ、ハガキが来てたよ。テーブルの上」

 誰からだろうと、差出人に目をやる。
< 50 / 58 >

この作品をシェア

pagetop