影を拾った太陽ー番外編ー
前から警戒はしていた。
前に地味な女の子と付き合った時、派手な女の子からいじめられていたらしいから。
今回もそのパターンかって。
だけど、事はそんなに簡単なものじゃなかった。
その日から毎日、藤宮さんはあの空き教室に通っていた。
叶斗は藤宮さんの話を聞き流しているだけ。
それが異様に腹立たしかった。
あの子が来なくなって心配じゃないのか、とか。
何で来なくなったのか気にならないのか、とか。
俺らしくないけど、叶斗を責めたくなった。
あの子が泣いていたことを、叶斗に言ったらどうなるのか凄く気になったけど言えなかった。
何故だか、彼女の涙を俺だけのものにしたかった。
俺を頼ってくれたのが嬉しくて。
泣いている理由が、例え叶斗のためでも俺の胸の中で泣いているのが嬉しかった。
こんな感情、他の女の子には抱かないのに。