影を拾った太陽ー番外編ー


「ふうん。まぁ良いや。光凛は俺にゾッコンなんだし」



「なっ!?」



さっきまで切なそうな表情を浮かべていたくせに、意地悪モードを発動させた桐ヶ谷くん。



付き合った後も、桐ヶ谷くんのコロコロ変わる表情は健在だ。






いや、でも、あの、ぞ、ゾッコンって言い方はちょっと……いや、大好きだけど、恥ずかしいというか。




「何?違うの」




「え、い、いや、そ、そう、だよ」





そんな捨てられた子犬みたいな目をされたら、頷くしかないじゃん。




「ふっ。ほらな。早く行くぞ」




ドヤ顔をされて悔しむ暇もないほどに、桐ヶ谷くんに腕を引っ張られ空き教室に向かった。




ずるいよ。私ばっかドキドキして、私ばっか恥ずかしくなって。



桐ヶ谷くんにだってドキドキしたり恥ずかしい想いして欲しいのに。
いつも負けちゃうんだよね。




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