影を拾った太陽ー番外編ー
クリスマスと大切な彼女
叶斗side
流石に早く着きすぎたかもしれない。
家を出る前から気づいていたが、時間をかけて行けば大丈夫だろうと思っていた。
でも、案外道は空いていて信号もあまり引っかからなかった。
約束の時間まであと一時間。
どうやって時間を潰す?
こんな家の前でずっと待っていたら、近所の人にストーカーだと思われるかもしれない。
かと言って近くに時間を潰せるような所もない。
さぁ、どうする。
「あれ、叶斗?」
座り込んだ瞬間、愛しい声が聞こえた。
驚いて顔を上げると、丸い目を大きく見開いた光凛の姿があった。
そんな姿さえも可愛いと思ってしまう。
「どうしたの?待ち合わせまであと一時間もあるのに」
まさか、会いたくて早く来たなんて言えない。
そんな恥ずかしいことが言えるのなら、もっと素直に気持ちを表現している。
「道が空いていたからな」
我ながらうまい言い訳だと思う。
実際道が空いていたのは事実だし。
それが真実かどうか、光凛に確かめる術はないし。
「そんなこと言って。本当は早く会いたかったんじゃないの?」