金の乙女は笑わない
「へ……陛下!!アイリス様が……」
エイミーの様子にアランとラルは顔を強張らせた。
「アイリス王女に何かあったのか?」
青ざめているアランにエイミーは、息を整えると赤くなりながら話し出した。
「アイリス様が微笑んだんです!!」
「「はあ?」」
アランとラルが顔を見合わせていると、興奮したエイミーが机の上にぐっと身を乗り出した。
「だーかーらー微笑んだんです!!アイリス様が!!」
きらきらした瞳でエイミーは手を組み、祈るようなポーズで、うっとりとしながら話し出した。
「先ほどアイリス様をお庭へ案内したんです。そうしたら花が美しいと微笑んだんです。ああ……、花なんかよりアイリス様の方が全然美しいのに!!」
「そりゃ人間なんだから笑うだろう?」
顔を赤くし、うっとりしているエイミーだったがアランの言葉にムッとしてしまう。
「アイリス様は感情を顔に出さないんです。ここへ来て初めてですよ笑ったの!」
「確かに謁見の間でも人形のようでしたね」
ラルもアイリスを思い出し顎に手をおいた。