となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
大切なもの
~一也~
篠山友里。彼女が俺の隣りで、カウンターに突っ伏して寝てしまった。
さっき俺は、「俺と付き合えよ」と彼女に言った。彼女は頷きながら、寝てしまったのだ。
俺は、篠山友里が俺の彼女になったと理解した。
少し疲れたように眠る、彼女の寝顔を見ながら、俺の中には怒りがこみ上げていた。
「そんな怖い顔すんなよ! どうする? 手伝える事があればやるぞ」
さっき、彼女が酔って話ているのを聞いていた真治は、俺の胸の内を察したのだろう。カウンターの内側から、水割りのグラスにウイスキーを注ぎながら言った。
「ああ…… 頼む」
多分、俺はかなり厳しい表情をしていたと思う。
「会社の名前から言って、そっちは一也の方が情報ありそうだ。俺は、別から当たってみる」
ご丁寧にも、彼女は野村隆という男の事を、俺が質問するまま全部答えてくれた。
真治と猛が居なけば、俺はここまでのし上がる事は出来なかっただろう。二人の情報網は幅広い。そして、あらゆる所に顔がきくようになっていた。
「だけど、彼女どうすんだ? 家知らんのだろ? 今夜なんてホテル部屋空いてるかな?」
真治が、どうすんだ?と、俺に目で訴えてくる。
「連れて帰る」
俺は椅子から立ち上がって、彼女を担ぎ上げた。
「ま、まじか…… お前が女を家に入れるなんて初めてだな。いいか一也、絶対に手を出すなよ!」
真治のこんな真剣な眼差しは初めてな気がする。
「なんでだよ?」
「バカなのか? お前彼女に本気だろ? 寝てる間に手を出してみろ、二度とお前に彼女は近づかんぞ!」
俺の体がギクッと固まる。二度と近づかない…… "ガーン" かなりのショックな音が俺の頭に落ちてきた。
「まあいい…… 大切な女ってのは、簡単に手が出せんものよ」
真治は偉そうに俺に向かって言った。
俺は何も言わず、彼女を担いだまま店を出た。
篠山友里。彼女が俺の隣りで、カウンターに突っ伏して寝てしまった。
さっき俺は、「俺と付き合えよ」と彼女に言った。彼女は頷きながら、寝てしまったのだ。
俺は、篠山友里が俺の彼女になったと理解した。
少し疲れたように眠る、彼女の寝顔を見ながら、俺の中には怒りがこみ上げていた。
「そんな怖い顔すんなよ! どうする? 手伝える事があればやるぞ」
さっき、彼女が酔って話ているのを聞いていた真治は、俺の胸の内を察したのだろう。カウンターの内側から、水割りのグラスにウイスキーを注ぎながら言った。
「ああ…… 頼む」
多分、俺はかなり厳しい表情をしていたと思う。
「会社の名前から言って、そっちは一也の方が情報ありそうだ。俺は、別から当たってみる」
ご丁寧にも、彼女は野村隆という男の事を、俺が質問するまま全部答えてくれた。
真治と猛が居なけば、俺はここまでのし上がる事は出来なかっただろう。二人の情報網は幅広い。そして、あらゆる所に顔がきくようになっていた。
「だけど、彼女どうすんだ? 家知らんのだろ? 今夜なんてホテル部屋空いてるかな?」
真治が、どうすんだ?と、俺に目で訴えてくる。
「連れて帰る」
俺は椅子から立ち上がって、彼女を担ぎ上げた。
「ま、まじか…… お前が女を家に入れるなんて初めてだな。いいか一也、絶対に手を出すなよ!」
真治のこんな真剣な眼差しは初めてな気がする。
「なんでだよ?」
「バカなのか? お前彼女に本気だろ? 寝てる間に手を出してみろ、二度とお前に彼女は近づかんぞ!」
俺の体がギクッと固まる。二度と近づかない…… "ガーン" かなりのショックな音が俺の頭に落ちてきた。
「まあいい…… 大切な女ってのは、簡単に手が出せんものよ」
真治は偉そうに俺に向かって言った。
俺は何も言わず、彼女を担いだまま店を出た。