世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




花莉を傷つけた宮園を許せるわけもない。
だから……花莉には悪いけど、行かなくちゃ。



花莉を寝かせたあとで。



その間に俺は倉庫に行って、そのあとは買い物に行けばいい。
花莉を1人で寝かせておくのは心配だけど……。




「おやすみ」




ぽんぽんっと優しく頭を撫でてからベッドの脇に腰を下ろした。
片手で頭を撫でて、もう片方の手でスマホを操作。











“花莉寝かせたらすぐ向かう”

と竜二にメールを送信。










「冬樹くん…」



そう小さく呟く声が耳に届く。
俺ではなく、ここにいない榊を呼んだ彼女。聞き間違いか、気のせいかとも思いベッドの上にいる花莉に顔を向けると、彼女はそっぽを向いていた。



そして







「冬樹くん…」



もう一度聞こえてきた。
…気のせいじゃなかったみてぇだ。




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