世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「え!?」
思わず声が出る。
「ん?」
詩優は私を見て口角を上げる。
何かあった?、とでも言いたそうな顔。
…何かあります。
何かありますとも。
「…っ、こ、これは…なんでしょう…?」
詩優と目を合わせて聞いてみる。
「ん?新生活のルールだけど?」
「…それは、わかってる」
私が聞きたいのはそういうことじゃなくて。
……詩優だって私が聞きたいことがなんだか絶対わかってるくせに。
「じゃあ決定な」
詩優は口角を上げたまま私の頭を撫でて、それからまたペンを走らせた。
…キスが嫌というわけじゃないから別にいいんだけどさ……。
せめてなんでしようと思ったのか理由を教えてくれても……。
そんなことを思ってるうちにまた何かを書いている詩優。
しかもたくさん。
私は一緒に住まわせてもらってる身だから、詩優が決めたルールは(できることなら)できるだけ守っていきたいと思う。
だから、詩優が書き終わるまでドキドキしながら大人しく待っていた。