世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「ほい」
少しして、詩優は書き終わったみたいで、その紙を私に手渡す。
受け取って見てみると、5つのルールが書かれていた。
“②ケンカしても毎日一緒にねる
③毎月15日の夜はみんなで外食(誰かが予定がある場合は日にちをずらす)
④そうじとメシは当番制
⑤悩みがあればすぐに言う”
…1番以外は思ったよりもまともでほっと一安心。
だけど、ひとつ気になったところがある。
「…4番はいらないと思うよ?」
ちらりと詩優を見つめてそう言った。
掃除も、ご飯をつくるのも、私がここに住まわせてもらってるそのお礼としてやってることで。全然嫌でもなんでもない。
むしろ、料理を作って食べてもらえて、笑顔になってくれることがすごく嬉しい。
「いつも花莉に家事任せっきりだし、俺もちゃんとやる。料理はこれからちゃんとべんきょーするから」
そう返してくる詩優。
詩優の気持ちは嬉しいけど……
やっぱり私だって一緒に住まわせてもらってるお礼がしたいから
「私は、好きで掃除もご飯も作ってるの。だからこれからも任せてください!」
詩優の手から油性ペンを奪って、4番目のルールを消そうとしたら、
ルールが書いた紙を奪われ…。