世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ








「じゃあ、行ってくるな」

「うん!行ってらっしゃ───っ」



今から出かける詩優に手を振ったら、玄関先で……
まさかのキス。



「結局、おはようのキスの練習してなかったしな」



小声でそう言った詩優はにやりと口角を上げてから、私の頭を優しく撫でて



「行ってくる」



ともう1回言ってから部屋を出て行った。






時間差で熱くなっていく頬。
ドキドキ…というかバクバク激しく鳴る心臓。




いきなりキスされるのは…心臓に悪い。
というか、昨日の夜からドキドキさせられてばかりだから余計に。




熱くなった顔を手でパタパタとあおいで冷ましていたら…




「みーちゃった♪」




倫也の声が後ろから聞こえてきた。




ビクッと大きく跳ねる心臓。





ぱっとすぐに振り返ったら、




「大丈夫大丈夫。誰にも言わな──いと思った?」



倫也はにやにやしながらこの場から全力ダッシュ。


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