世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
新生活
花莉side
───引っ越す前に詩優と2人で行った家具屋さんでのこと。
たくさんの柄のマグカップが並べられたコーナーで、あるものを手に取る。
私が手に取ったものは、耳が垂れた犬のイラストがかかれたマグカップ。
この犬は、ダックスフンドだろう。
耳が垂れた黒い犬で、その犬の前にはお皿がある。お皿の上にはおやつの骨がおいてあるけど…まだおやつが欲しいのか、つぶらな瞳でこちらを見つめている。
…し、詩優だ……
なんとなくだけど、この犬は詩優に似ているように見えた。
これはお迎えするしかないよね?
そう思い買い物カゴを持ってきて、それを1つカゴの中へ。
この犬は詩優だから、詩優に使ってもらおう。
自分の分はせっかくだから何か買おうかな。
たくさん並べられたマグカップを見ていくと、目に入ったのは…
可愛い白猫のイラストがかかれたマグカップ。
それはさっきのダックスフンドど同じ種類なのか、白猫の目の前にはお皿があって、その上には魚が置いてあった。
ご飯がおいてあるのに…、こちらをつぶらな瞳でみつめている。
絶対同じ種類のマグカップだ。