世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




頬をムニムニと触られて、優しく引っぱって
それを数回繰り返されてから、やっと立ち上がった彼。



「よし、行くか」



私も立ち上がると、詩優はぎゅっと手を取って歩き出す。



繋いだ手は指を絡ませて、あっという間に恋人繋ぎ。
リビングから寝室まで、距離はあまりないはずなのに…当たり前のように恋人繋ぎをしてくれることがなんだかすごく嬉しい。




一年前までは、一緒に暮らすとか、好きな人ができるとか…付き合うとか、全然考えられなかった。




詩優と暮らし始めて約1年、幸せな毎日がなんだか夢のよう……。








「花莉はすぐベッドから落ちそうだから内側な」



壁際にくっつけて置いたダブルベッド。
詩優は私を先に誘導。




…寝相そこまで悪くないと思うんだけどなぁ。たぶん。
それにベッドだって大きいから、落ちないと思う。今までのシングルベッドだって落ちたことなかったし。




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