世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「別に大丈夫だよ…?」
「ほいほい。いいから内側な」
半ば強引に背中を押されて、私は先にベッドの上に乗った。続いて詩優もベッドへ。
ベッドは家具屋さんでも少し触らせてもらったけど、やっぱりすごく柔らかい。
絶対高級なベッドだ。
柔らかい布団の中へと入ると、すぐに眠気がまたやってくる。
ベッドも布団も柔らかいし、すぐに眠れそうだ。
詩優がリモコンで電気を常夜灯にしてくれて、目を瞑ろうとしたら
私の顔のすぐ横に手をついて……─────。
整った顔が近づいて、重なり合う唇。
これが“おやすみのキス”だということをすぐに理解した私。
初日から忘れて寝ちゃうところだった…!!危ない危ない…
詩優はゆっくり唇を離して、今度こそ眠るのかと思ったら
「口開けて、花莉」
と言って温かい手で私の頬に触れる。