世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ



「!?」


く、くち!?
口開けてどうするの、なんて聞かなくてもわかる。詩優は…深いキスをする気なんだ。



ドキドキと加速する心臓。
触れられている頬がどんどん熱くなっていく。




「早く」



口角を上げて急かしてくる彼。




「な、なんで…!?」

「おやすみのキス忘れて寝ようとした罰」




確かに…詩優がキスしなかったらそのまま忘れて寝ちゃってたけど……

それは本当に眠かったから忘れていただけで。
しかも今日は引越し初日で、新生活のルールを忘れても大目に見てほしい。




「…今日くらい許し─────…」



『今日くらい許してよ』
と言いたかったのに、言い終わる前に口を塞がれた。









開いた口の中へと熱いものが侵入して、私の体をあつい熱が支配していく……。




私は詩優にされるがまま。

電気は常夜灯になっているから視界が暗くて、至近距離の彼の顔がぼんやりと見えた。




…余裕そうな顔。
ドキドキしてるのが私だけみたいでなんかずるい。




< 161 / 839 >

この作品をシェア

pagetop