世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
思い出すのは詩優のこと。
私が目を閉じる前に話した詩優は……私にあんまり構ってくれなかった。本当は構ってほしかったのに。私のことをもっと見てほしかったのに。
だから……
“冬樹くん”
の名前を出せば少しは妬いてくれるかな、私のこともっと構ってくれるかな、って思ってたの。
本当はそばにいてくれるだけで嬉しかったんだよ。
頭を撫でてくれるだけで本当に嬉しかったの。
私が何度も“冬樹くん”って言うから怒ったの?
呆れたの?
……もう帰ってこないの?