世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
やだ……
やだよ……
置いていかないで……
玄関の扉に手をかけて外へと飛び出そうとした
その時───
急に扉が開いて、ドンッと何かにぶつかって体がバランスを崩す。
体が倒れる直前で、
「あっっぶな!!」
と誰かが体を支えてくれた。
耳に届いたのは、たぶん倫也の声。
「花莉!?」
それから次に耳に届いたのは京子の声。
「……行かなきゃ」
私はそう呟いて、足を動かそうとしたら腕を掴まれてそれを阻止される。
「ひめちゃんどこ行く気!?」
部屋の中に戻される。
それも強い力で引っ張られて。