世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
…やだよ……
やめてよ……
邪魔しないで……
「詩優探しに行くの……」
ぽたりと涙が溢れた。
こうして泣いても意味なんてないのに……
こんなことをしているうちに詩優は遠くに行ってしまう……
体が熱に支配されていく。
思考が上手く回らなってきて……体に力が入らなくなる。
倫也に体を預けるようなかたちになってしまうけど、今の私にはどうしようもない。
「詩優……」
ただただここにいない彼の名を呼んで涙を流した。
「倫也!!とりあえず花莉をベッドへ!!!」
「おう!!!」
京子と倫也の話し声が聞こえてくる。
体はもうスイッチが切れたように動かなくなって…。私は倫也に抱きかかえられて、電気がついた明るい部屋へとそのまま連れていかれた。