世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
嬉しいけど、嬉しくない
どんよりした気持ちのまま袋からプリンを取り出すと、なんだかすごく輝いて見えた。
…た、食べたい。
まだ食べてもいないのに、絶対このプリンは美味しい、という謎の確信がある。
濃厚そうなカラメルソースに、ぷるぷるとしたプリン。
見ているだけで、ぐぅ~と少しお腹がなった。
…やっぱり、詩優が買ってきてくれたプリンだから……今度少しずつ食べようかな。
そしてプリンを食べる分、しっかり明日運動しよう。ちょうど明日は明日葉の家のプールで遊ぶことになったし、泳ぎ方でも教えてもらおうか。
プリンを冷蔵庫の中へとしまおうとしたら、
「今、半分こにして一緒に食う?」
キッチンへ来てそう言った詩優。
思わず『食べてる!!』と言いそうになるけど、その言葉は必死に飲み込んで。
「お、お腹いっぱいだから明日にするね…」
そう返した私。