世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
プリンの誘惑に負けちゃだめだ。
ちゃんとしまわなくちゃ…っ
美味しそうに輝いたプリンを今度こそ冷蔵庫の中へとしまう。
パタン、と冷蔵庫を閉めると詩優が私との距離を詰めて。
前髪をさらりと横へ流して、おでこを出すと顔を近づけてきた。
き、キス!?
慌ててぎゅっと目を閉じるが……
唇にキスは落とされることはなくて。
こつん、とおでことおでこが合わさった。
唇が触れ合わなくても、ドキドキと暴れ出す心臓。
「っ!?」
な、なに!?
し、詩優の……おでこがくっついて……
「…熱はなさそう」
小さく呟いた目の前の彼。
…熱?
もしかして…何か心配させちゃった…?
詩優のおでこが離れて、ゆっくり目を開けたら……詩優が再び顔を近づけてきて、今度こそ
唇が重なり合う。
「っ!!」
さっきよりも大きく鳴って暴れる心臓。
目の前の詩優は……
なんだか楽しそうな目をしている、気がする。